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カカオやダークチョコレートで血圧を下げて心臓病や死亡リスクも低減?オランダの高齢者研究をご紹介。



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近年、チョコレートやココアに含まれるカカオの効能が注目され、特にカカオポリフェノールには、血管機能を改善して血圧を下げたり、心臓病や脳卒中など心血管疾患を予防する効果が期待できるということが、各国の研究データから示されつつあります。

先日の記事では、カカオの効能に関する最も有名な疫学研究として、パナマの先住民族クナ人を調査したハーバード大学のスタディをご紹介しました。
ダークチョコレートやカカオで高血圧や心臓病の予防効果!?パナマでの研究をご紹介


今回の記事では、カカオの効能を示唆した疫学研究の中から、もう一つ、本格的な追跡調査をご紹介したいと思います。

これは、世界的に有名なアメリカの生理学者、アンセル・キーズ氏が中心となって行った「七ヶ国共同研究」の一環として、オランダ・ズトフェンの高齢者を15年にわたって追跡したものです。

※この記事でご紹介する研究の原典としての論文は↓こちらです。
JAMA Network “Cocoa Intake, Blood Pressure, and Cardiovascular Mortality”


※また、参考となる日本語で分かりやすいサイトは↓こちら。
日経メディカル「ダークチョコレート10g分のカカオを摂り続けると、心血管死とあらゆる原因による死亡リスクが半減する」



no-title美容や健康、ダイエットにいち押しと話題のカカオ。
ポリフェノールやその他ヘルシー成分の効果効能については、下の別記事をご参照ください。

カカオポリフェノールの効果効能を120%詳解!論文へリンクもあり。
カカオニブとは?驚きの効果効能と栄養成分を120%詳解!




【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.オランダ・ズトフェンで高齢者を追跡調査-カカオの摂取で高血圧・心臓病・あらゆる死因リスクが減少

① どんな研究?
② 研究の具体的な内容
③ 研究の結果
④ この研究の信憑性は?
⑤ 1日にどれくらいのチョコレートを食べれば、このような効果が期待できるの?

2.【まとめ】カカオに効果が期待できるのは事実かも。でもチョコレートの食べ過ぎには注意して。

3.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介









1.オランダ・ズトフェンで高齢者を追跡調査-カカオの摂取で高血圧・心臓病・あらゆる死因リスクが減少


① どんな研究?


この研究は、かの有名な「七ヶ国共同研究」をさらに継続して行われた『ズトフェン高齢者研究 (The Zutphen Elderly Study)』の一環です。

七ヶ国共同研究 (The Seven Countries Studies) とは、1950年代から活躍していたミネソタ大学の生理学教授アンセル・キーズ氏が、各国の研究者に仲間を募って1958年から開始された、心血管疾患と栄養摂取との関わりを世界7ヶ国にまたがって約20年間、疫学調査したものです。

高血圧や動脈硬化に始まり、血管の炎症・老化で引き起こされる心臓病や脳卒中は、当時からアメリカ人の死因を大きく占める病気であり、これらの予防や改善法の確立がアメリカの国家的な急務となっていたのです。

※ アンセル・キーズ氏や「七ヶ国共同研究」、また心血管へ悪影響を及ぼす食品は何かの議論において、アメリカで半世紀にわたり繰り広げられた脂質vs.砂糖の攻防については、↓↓こちらの別記事をどうぞ。



このキーズ氏のグループによる世界にまたがる25年間の研究において、肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸の摂りすぎが、心臓病や冠動脈疾患など重大な血管疾患の主要な原因となり得ることが明らかにされました。

さらにこの七ヶ国共同研究は、心血管疾患を引き起こす要因を究明する25年もの調査が終了したのち、追跡対象者が高齢化したため、以後は心血管疾患に限らず高齢者の健康全般に視点を広げ、食生活を含めた生活習慣との関連性を研究するべく追跡調査が継続されました。 


そのうち、オランダでの研究を引き継いだ「ズトフェン高齢者研究」は、オランダ・ヘルダーラント州のズトフェンという町で、約470名の高齢者を対象に1985~2000年まで15年間実施されました。

この「ズトフェン高齢者研究 (The Zutphen Elderly Study)」において、この研究に携わったオランダ国立公衆衛生環境研究所のBrian Buijsse氏が、カカオの摂取により血圧が下がること、また心血管疾患による死亡率、およびあらゆる原因による死のリスクが減少することを、調査の結果として発表しています。


※ 参考資料:
日経メディカル「ダークチョコレート10g分のカカオを摂り続けると、心血管死とあらゆる原因による死亡リスクが半減する」
Seven Countries Study"Healthy ageing"
Seven Countries Study"Chocolate and cardiovascular disease"






② 研究の具体的な内容


小規模で短期間の介入試験 (例えば被験者を10人ずつの2グループに分け、1つのグループにはチョコレートxg、もう一つのグループには同様のプラセボチョコを毎日食べることを2週間続けてもらい、摂取前と後の健康状態を比較する等) においては、カカオ製品の摂取によって血管内皮機能が改善して血流がよくなる、あるいはインスリン感受性が増して血糖値が下がる…等、ヒトの健康に有益な効果が現れるというデータが幾つも示されています。

ただしそのような研究結果だけでは、長期間摂取した場合の効果の有無や、その他のからだへの影響、また個人差によらず誰にとっても効果があると言えるのか…等の疑問が残ります。

また、このようなカカオの効果が具体的にどの程度のものなのか、心臓病や糖尿病など重大な血管疾患の発症リスクを低減できるまでに至るのかどうか、それも判然としません。

さらにこの種の実験においては、被験者に毎日100g (一般的な板チョコは1枚約50g) 以上という多量のチョコレートを食べてもらうなど、一般的な人々の食生活にその結果を応用するにはあまりにも非現実的と思われるケースも少なくありません


それに対して、上記「七ヶ国共同研究」を引き継いだこのズトフェン高齢者研究においては、研究者が介入することなく、オランダの一つの町ズトフェンに住む住民から慢性疾患のない470人の高齢者に参加してもらい、聞き取りや食料の購入状況からカカオの摂取状況を調査した上、15年もかけて彼らの生活や健康状態を追跡し、途中で死亡したケースについてはその死因をデータに加えて分析したものです。

カカオの摂取状況については、研究の始まった1985年における食事調査では、対象者の1/3がカカオを摂取しておらず、対象者を調査から推測したカカオの摂取量に応じて以下のような3つのグループに分けました。

データ数
(人数)
カカオ摂取量の
データ範囲 (g/日)
カカオ摂取量の
中央値 (g/日)
① 最高三分位群
(カカオの摂取量が最も多いグループ)
156 2.90 - 6.10 4.18
② 第2三分位群
(カカオの摂取量が中間的な範囲のグループ)
149 0.60 - 1.45 0.92
③ 最低三分位群
(カカオの摂取がほとんどないグループ)
165 0 - 0 0


そして、調査開始時の1985年に対象者全員の健康状態と食生活・その他の生活習慣を調査してベースラインとし、以後90年、95年、2000年の3回にわたって同様に調査、これを上記3つのグループに分けて比較分析しました。

ちなみに、彼らのカカオ摂取の約2/3はチョコレートによるものとされています。





③ 研究の結果


カカオの摂取により、血圧が低下。

得られたデータを、血圧に関連する主要な交絡因子 (※) による影響が出ないように調整すると、結果は下表のようになり、カカオの摂取量は最大血圧および最小血圧と逆相関の関係にあることが分かりました。

(※) 交絡因子… 調べようとする要因以外のもので、その病気の予防および改善や悪化に影響を与えるような要因となり得るもの。
例えばこの調査では、ココア摂取以外に血圧の高低に影響を及ぼしそうな「年齢・BMI・食生活・身体活動・飲酒や喫煙・アスピリンや抗血液凝固剤の使用」等の因子について調整した数値を示しています。

血圧の平均値 (mmHg) ※カッコ内はデータの範囲
最大 (収縮期) 最小 (拡張期)
① 最高三分位群 146.5 (144.0-149.1) 82.3 (80.9-83.7)
② 第2三分位群 149.0 (146.7-151.3) 83.8 (82.5-85.1)
③ 最低三分位群 150.2 (147.7-152.8) 84.4 (83.0-85.8)
①-③ -3.7 -2.1


つまり、①の最もカカオ摂取の多いグループは、③のほとんどカカオを摂らないグループに比較して、最大血圧が平均で3.7mmHg、そして最小血圧が平均で2.1mmHgも低い ことが分かります。

日本人における70歳代男性の血圧平均値は、最大血圧が144.1mmHg、最小血圧が86.8mmHgです (2010年)。
なお日本高血圧学会は、前期高齢者 (65~74歳) の降圧目標を診療室血圧で 140/90mmHgと定めています。

こうして見ると、収縮期血圧-3.7mmHgという違いがいかに大きくて重要であるか が分かるのではないでしょうか。

ちなみに上記のオランダにおける高齢者の平均血圧値 (特に収縮期) は、日本人に比べると①の最高三分位群の数値でさえかなり高めだと感じますが、もともと北欧は世界的にも血圧の高い地域であることを考慮すればよいと思います。


心血管疾患およびあらゆる病気による死亡リスクが低下。

1985~2000年の間の追跡調査中に、314人の対象者が死亡しました。
そしてこのうち152人の死因は、心血管疾患によるものでした。

彼らの生前のデータと死因を解析したところ、カカオ摂取量の増加に伴って、心血管疾患による死亡、そしてその他のあらゆる死亡リスクが減少することが示されました。

この結果が、以下の表です。
上記の血圧に関するデータと同様、年齢やBMI、生活習慣などの交絡因子を調整してあります。

心血管疾患およびあらゆる原因による死の相対リスク ※③の数値を“1.00”とした場合
③ 最低三分位群 ② 第2三分位群 ① 最高三分位群
心血管疾患による死 1.00 0.70 0.50
あらゆる原因による死 1.00 0.73 0.53


心臓病や血管疾患ばかりでなくあらゆる原因による死亡のリスクが、③のカカオをほとんど摂らないグループと比べて①のカカオ摂取量が高いグループはおよそ半分の割合にまで減っています

②のカカオ摂取量が控えめのグループにおいても、やはり③と比較すると約7割にまでリスクが減少しているのが分かります。


先にも述べましたように、この研究では身体活動や食習慣の違いなど、カカオ摂取以外に発症リスクを左右するかもしれない要因については極力調整を施してからデータを出してあります。

しかし、それでも完全に影響を排除できるとは言い切れない可能性についても、この研究に携わった専門家は論文の中で言及しています。

その辺りの事情については下記のリンク先 (この論文の原文) に詳細が書かれています。
気になる方は当たってみてください。
JAMA Network“Cocoa Intake, Blood Pressure, and Cardiovascular Mortality The Zutphen Elderly Study”


とりあえず主要な交絡因子は可能な限り取り除いたデータですので、カカオの効能のほどを理解するためなら大いに参考になる研究だと思います。





④ この研究の信憑性は?


先にも述べましたように、この研究は「ズトフェン高齢者研究」の一環です。

ズトフェン高齢者研究とは、世界的な生理学者アンセル・キーズ氏によって始められた「七ヶ国共同研究」という有名な追跡調査の延長線上にあるスタディです。


研究に当たったのは、オランダ国立公衆衛生環境研究所に勤務するBrian Buijsse氏らのグループです。

また、七ヶ国共同研究に資金提供しているのは、下のリンク先を見ても分かりますように、健康や公衆衛生の問題に携わる公的機関ばかりです。利益を共有するメーカー関連は一切ありません。
Seven Countries Study"Sponsors"


このように公共的色彩が極めて強い研究であること、また15年間も費やし、研究者の介入なしに行われた純粋な観察研究であること、さらに、最初からカカオ摂取の効能の調査を目的とした研究とは異なり、考えられる様々な因子の中から心血管疾患に関わるものを突き止めるべく、コホート (研究に参加する集団) の心臓や血管などの健康状態、食事内容、生活習慣など、影響があると推測されるあらゆる要因について幅広く調べ上げていること等から、他にも多数あるカカオ関連の研究の中でも最も信頼に値する研究結果であると思われます。


※参考資料:
日経メディカル「ダークチョコレート10g分のカカオを摂り続けると、心血管死とあらゆる原因による死亡リスクが半減する」
JAMA Network “Cocoa Intake, Blood Pressure, and Cardiovascular Mortality”
The Seven Countries Study “Chocolate and cardiovascular disease”



⑤ 1日にどれくらいのチョコレートを食べれば、このような効果が期待できるの?


このオランダの研究では、カカオの摂取量が最も多いグループにおけるカカオ摂取量には個人差がありましたが、全体の中央値は 4.18g/日 でした。

つまり単純に考えれば、1日に約4g強のカカオを摂取すれば、上記の調査結果に表れたような効果が期待できることになります (あくまでも参考です)。

カカオを全く摂らないケースと比べて、血圧の上昇を抑えたり、心血管死やその他の病気による死のリスクを低減したり…といったようなことです。


約4g強のカカオといえば、ビターチョコレートやダークチョコレートと呼ばれるカカオ分の多いチョコレートの、およそ 10g に含まれるカカオの量に相当します (カカオ分が40%以上含まれるチョコレートを、ビターチョコレートやダークチョコレートと称します)。

チョコレート10gがどのくらいかと言えば、いわゆる一般的な板チョコがおよそ50gですので、その1/5程度ですね。
意外と少ない量で十分なのです。


つまりチョコレートに含まれるカカオに効果があるからと言って、チョコレートをたくさん食べればよいというわけではなく、板チョコ (ビター) 1/5 程度を毎日食べ続ければある程度の効果が期待できる…ということが研究の結果から示唆されたわけです。

もちろんカカオ成分が身体に良いわけですから、チョコレートに限らずココアを飲んだり料理に利用したり、あるいはカカオニブやカカオ豆を食べる…などの摂り方も考えられます。





2.【まとめ】カカオに効果が期待できるのは事実かも。でもチョコレートの食べ過ぎには注意して。


ここでご紹介したオランダの高齢者研究や、パナマにおけるクナ民族の疫学調査、あるいは各国で行われた多数の臨床試験による結果から、カカオ豆に含まれるポリフェノールなどの成分には、高血圧・心臓病・脳卒中など種々の血管疾患を予防する効果が期待できると見ることも可能なのではないかと思います。

けれども、毎日カカオを摂るとすれば、できればカカオニブやカカオ豆を利用するなど、なるべく砂糖なしで自然のままのカカオポリフェノールを摂取したいですね。

カカオポリフェノールの摂取を目的としてチョコレートを毎日少しずつ食べるのであれば、普通の甘いチョコレートではなく、多少苦くてもやはりカカオ含有量の高いチョコレートをお勧めします。


甘いチョコレートは、食べ過ぎはよくないと分かっていてもついついたくさん口に入れてしまいがちですよね。

一方、カカオ分70~80%のものになると、同じチョコレートでもわずかな苦みの違いがほどよいブレーキとなり、1~2片も食べれば満足してストップすることができるのです。


チョコレートの“摂りすぎ”が身体に良くないという事実は、従来から全く変わっていないことに注意が必要です。

そしてそれは、ビターやダークのチョコレートも同様です。

この点については国民生活センターが警告を発しています。

この警告の主な内容や、高カカオチョコレートを1日の摂取量(大人の女性)については、下記の別記事にまとめましたのでご参考ください。
オススメ! ダークや高カカオチョコレートも食べ過ぎは危険!1日の摂取量は?


3.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介










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共通テーマ:健康

ダークチョコレートやカカオで高血圧や心臓病の予防効果!?パナマでの研究をご紹介



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近年、チョコレートやココアなどカカオを含む食品に、健康や美容への効果が大いに期待されています。

特に、ダークチョコレートやビターチョコレート、あるいは高カカオチョコレート等と呼ばれる、カカオの含有量の多いチョコレートを毎日少量ずつ食べると、心臓病・高血圧・動脈硬化など血管由来の生活習慣病の予防に効果があるとの噂も広まっています。


そこでこのブログでは、チョコレートを始めとするカカオ製品が血圧の上昇を防ぐ、あるいは心血管疾患から身体を守ると言われる契機となったさまざまな各国の科学的研究の中から、比較的規模が大きく信頼できそうな2つの疫学調査について、詳しくご紹介したいと思います。

その2つの疫学調査とは、↓こちらです。
① パナマのサンブラス諸島における、先住民クナ族についての研究 (この記事)。
オランダのズトフェンにおける高齢者研究。オススメ !


※この記事でご紹介する研究の原典としての論文は↓こちらです。
Flavanols, the Kuna, Cocoa Consumption, and Nitric Oxide


※また、参考となる日本語で分かりやすいサイトは↓こちら。
日経Gooday「高カカオチョコレートの継続摂取で高血圧改善?」
「ココアは次世代の特効薬 ハーバード大学医学部のクナインディアン研究」



no-title美容や健康、ダイエットにいち押しと話題のカカオ。
ポリフェノールやその他ヘルシー成分の効果効能については、下の別記事をご参照ください。

カカオポリフェノールの効果効能を120%詳解!論文へリンクもあり。
カカオニブとは?驚きの効果効能と栄養成分を120%詳解!



【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.パナマ共和国サンブラス諸島、クナ族とカカオと血圧の関係についての研究

① どんな研究?
② 研究の具体的な内容・結果
③ この研究の信憑性は?

2.【まとめ】カカオ成分に効果が期待できるのは事実のよう。でもチョコレートの食べ過ぎには注意

3.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介










1.パナマ共和国サンブラス諸島、クナ族とカカオと血圧の関係についての研究


① どんな研究?


カカオの健康効果を世に知らしめた最も有名な研究として、パナマ共和国のサンブラス諸島に住む先住民族クナを調査したデータがあります。

これは、ハーバード大学医学部教授であるホレンバーグ氏が、主に高血圧を予防・改善するための遺伝子学を研究していた際、ヒトの加齢が進んでも血圧の病的な上昇がほとんど見られないクナ族に注目し、その文化的背景や生活形態、そして食生活などについて、血圧や血管疾患との関連から長期にわたって調べたものです。


ちなみにクナ人と言えば、女性が美しい飾り布“モラ”をまとっていることで有名ですね。
元々はコロンビアの先住民でしたが、大航海時代に進出してきたスペイン軍から逃れるように、現在のパナマ沖の島々に住むようになりました。

※ クナ族について詳しくは ↓↓ こちら
絶対に会いたい!少数民族大図鑑「クナ族(パナマ)」


1990年代当時からアメリカでは、心臓病や糖尿病の罹患率・死亡率の高さが大きな社会問題となっており、それらの発症リスクを高める高血圧症について、主に遺伝子の影響によるものであるとの仮説を元に、高血圧を促進する遺伝子を発見するための研究が国家的なプロジェクトとして進められていました。

そしてハーバード大学の本院的な位置づけにあるボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院も、アメリカ国立衛生研究所から選ばれ、遺伝子学からのアプローチによって高血圧症の原因を突き止める研究に取り組んでいました。


しかしその研究に従事していたホレンバーグ氏は、高血圧を促進する遺伝子が単独ではなくポリジェニック (とても多くの遺伝子が関わること) であることが明らかになるにつれ、これらの遺伝子を特定や排除、無効化するといった治療は大変困難であるとの認識を持つようになり、むしろ逆の発想から「高血圧から身体を保護する遺伝子」がないかどうかを探求する研究を始めるようになりました。

そしてそのために目を付けたのが、パナマ共和国のサンブラス諸島で現在でも伝統的な生活を営む少数民族である“クナ”と呼ばれる人たちでした。


クナ族は、500年以上前からその島々で、外の環境や文化とは隔てられた生活を続けており、かつ 加齢に伴う高血圧や心血管疾患がほとんど見られない ことでも知られていました。

そのため、もしも高血圧症が遺伝的な影響を大きく受ける病気であれば、何百年もの昔からその小部族以外に混じり気のない血筋を守り続けているクナ族の身体を調べれば、血圧の上昇を強力に防いで生体を保護するような遺伝子が見つかるはずだと考えられます。

またさらに言えば、近代になって島を出てパナマの都市部に移住したクナ人が多数いますが、彼らにもやはり同様の遺伝子が存在するために高血圧症や心臓病とは無縁であると推測されます。


しかし実際に調査した結果、都市に移住し、西洋風の生活習慣にすっかり慣れてしまったクナ出身者は、欧米人と同じく年齢とともに血圧が高くなるということが一般化していることが判明しました。

つまり、島にいて昔ながらの文化を守って暮らしているクナ人が高血圧にならない理由は、決して遺伝子によるものではないということになります。

そこでホレンバーグ博士の調査グループは、次に伝統的なクナ民族の生活習慣や環境、特に食生活について調べることにしました。





② 研究の具体的な内容・結果


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サンブラス諸島のクナ民族と先進国の食生活を比較したとき、幾つかの特徴的な違いといえば、例えばクナのほうが魚食が多いこと等が挙げられます。

もちろん魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸 (DHA、EPAなど) も、血圧の病的な上昇を抑えるのに役立つ成分です。

けれども後述するように、島に住むクナ人と都市に移り住んだクナ出身者との間には、年老いてからの血圧値に決定的に大きな差があり、これを説明する根拠として魚油の作用だけではあまりにも不十分です。

また、クナ人のほうが西洋人よりも食事の塩分量が少ないのでは? という疑問も浮かぶかもしれませんが、調査の結果、クナの伝統料理には塩分が多く使用され、島に住むクナ人のほうが一般的な西洋人や都会のクナ出身者よりも塩分摂取量がかなり高いことが分かりました。


では、日頃の食事においてさらに何か違いがあるのでしょうか?
実はあと一つ、クナの食生活には明らかに他とは異なる大きな特徴がありました。

クナ人たちの住む島には伝統的に、カカオをすりつぶした飲料を一日に5~7杯、毎日飲む習慣がある のだそうです。

これは先進国で市販されている一般的なココアと違い、天然のカカオをすりつぶす以外に何の加工も精製も施していないので、カカオ本来のポリフェノールがそのまま豊富に含まれているそうです。

一方、島からパナマの都市部に移住したクナ出身者は、そのような食文化を失って西洋人と同様の食生活を送っているため、天然のカカオをたくさん飲むことはほとんどありません。


ホレンバーグ博士らは、サンブラス島在住のクナ人と都市部のクナ出身者について、血圧や健康状態、死因などを調査し、比較してみました。

すると、島に住む伝統的なクナ民族は、都会に住むクナ出身者よりも有意に血圧が低く、また心臓病、がん、糖尿病などの生活習慣病による死亡率が明らかに低いことが判明したのです。

しかも、都会に住むクナ出身者よりも島在住のクナ人のほうが塩分摂取量が高いにも関わらず、です。

それが数値的にどれほどの差であるかは、下のリンク先の資料をご覧ください。
日経Gooday「高カカオチョコレートの継続摂取で高血圧改善?」


ポリフェノールと血圧の関係については、他の研究においても、ワイン・紅茶・カカオ等のポリフェノールが血管内皮の一酸化窒素の生成を促進して血圧を下げるという多数のデータが存在します。

また、島に住むクナ人の尿からポリフェノール代謝物が極めて高濃度に検出されることから、ホレンバーグ博士らは、カカオに豊富に含まれるポリフェノールがクナ民族を高血圧から守り、ひいては心疾患や脳卒中などあらゆる生活習慣病の発症リスクを低減している可能性がある と主張しています。






③ この研究の信憑性は?


クナ民族とカカオと高血圧の関連を調べたこの研究は、遺伝子学からのアプローチに始まって1990年代初頭から2000年代後半にかけ、20年近くも費やされた本格的な疫学調査です。

元はアメリカ国立衛生研究所から要請を受けた、高血圧の予防・改善を目指す国家プロジェクトの一環としての研究であり、ハーバード大学と極めて関係の深いブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究グループによって始められました。

バクスター財団からも資金提供を受け、島在住のクナ人の腎機能や食生活についての調査など、費用と時間のかかる研究が継続的に行われました。


ちなみに、クナ民族が毎日5杯以上を飲むという天然のカカオ飲料について栄養素の分析を行ったのは、チョコレートやお菓子の製造販売で有名なアメリカの食品会社 “マース (Mars, Incorporated)” です。

このマースの分析によって、クナが飲んでいるカカオには、私たちが普段嗜好品として飲む一般的なココア飲料とは異なり、エビカテキンやプロシアニジンといったフラボノイド類 (ポリフェノールの一種) が豊富に含まれていることが分かりました。


この研究結果を受けて…かどうかは知りませんが、マースは現在「ココアプロ (Cocoa Pro)」という極めてフラボノイド含有量の高いココア製品を売り出しています。

一方、ごく一般的に市販されているココア製品は、消費者の好みに合わせて加工や精製されており、クナ人の飲む天然カカオや上記のココアプロに比較し、わずか5%のフラボノイドしか含んでいないという試験データもあるようです。


それはさておき、このホレンバーグ博士によるクナ人とカカオの調査のように、食品メーカーがスポンサーとして資金提供している研究は世の中にたくさんありますが、このような研究の中には、メーカーの利益に合致する都合のよいデータのみを公表したり、あるいは最初から意図した結果が出るように条件設定してから実験を行うといった、必ずしも公平で信頼できるとは言えないデータが存在するのも事実です。

しかし私としては、長い年月をかけ、しかも現地の先住民族のありのままの食形態を調査して示されたこの疫学研究の結果は、ある程度信頼に値すると見てよいのではないかと思います。


とにかく、カカオとヒトの健康との関連を調査した研究としては、このクナ族研究は最も有名なものといってよいでしょう。

一応、世界的に有名な製菓会社であるマースが関連していることは、考慮しておいてもよいかもしれません。


参考資料:
日経Gooday「高カカオチョコレートの継続摂取で高血圧改善?」
日経トレンディネット「心血管系疾患に対する、ココア、チョコレートの影響」
“Flavanols, the Kuna, Cocoa Consumption, and Nitric Oxide”
“Vascular Action of Cocoa Flavanols in Humans: The Roots of the Story”
「ココアは次世代の特効薬 ハーバード大学医学部のクナインディアン研究」
The Harvard Gazette“Cocoa shows promise as next wonder drug”
ynyoo.com“Kilder til Kuna Cocoa”







2.【まとめ】カカオ成分に効果が期待できるのは事実のよう。でもチョコレートの食べ過ぎには注意


ここでご紹介したパナマのクナ人における調査や、オランダの高齢者を対象に行われた追跡調査、あるいは各国で行われた多数の臨床試験による結果を見ても、チョコレートやココア等のカカオ食品には、カカオ豆に含まれるポリフェノールなどの成分により、高血圧・心臓病・脳卒中など種々の血管疾患を予防する効果が期待できる可能性を、ある程度は認めてもよいと言えるのではないかと思います。

ただし、やはりチョコレートは食べ過ぎないように注意を払いたいものです(^^;)。


特に近年、ポリフェノールの効果をうたって市販されているカカオ含有量の高いチョコレートについては、国民生活センターのWebサイトでも過剰摂取に陥らないよう警告されています。

以前から常識的に言われているように、チョコレートには脂質と糖質が多いことがいちばんの問題です。くれぐれも「カカオポリフェノールが身体にいい」という合い言葉を、チョコレートをついつい食べ過ぎてしまう言い訳に利用しないよう自戒してくださいね。

no-titleダークや高カカオチョコレートについて、食べ過ぎが危険な理由と1日に許される摂取量 (大人の女性) を、具体的に計算して下記の別記事にまとめました。参考にどうぞ。
ダークや高カカオチョコレートも食べ過ぎは危険!1日の摂取量は?



3.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介


※しばらくお待ちください m(_ _)m





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共通テーマ:健康

ポリフェノール・パラドックスの謎…吸収されにくいのになぜ効果があるの?



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緑茶やコーヒーなどの飲み物をはじめ、野菜や果物に豊富に含まれるポリフェノール。

抗菌・抗酸化・抗炎症などの優れた作用を発揮することから、血管や組織の若々しさを保ち、健康維持や生活習慣病の予防ばかりでなく、美容やダイエットにまで大きな効果を期待されています。

幾多の研究や実験により、ポリフェノールの摂取が明らかに動物やヒトの身体に良い影響を及ぼすことは、今や専門家の間でも疑い得ない事実 となりつつあります。


しかし一方で、ポリフェノールは 体内への吸収率や利用率が非常に小さいということもよく言われます。

そんなポリフェノールが、どうして顕著な効果効能を示すことができるのか?


この記事では、科学者にとっても大きな疑問であり、未だにはっきりとは解明されていないこの「ポリフェノール・パラドックス」について、専門家が日夜さまざまな研究や検証を進めながら、現在時点で考えられている幾つかの興味深い仮説を分かりやすく解説したいと思います。






「ポリフェノール・パラドックス」~ ポリフェノールの作用メカニズムとは?


これまで行われた多くの疫学調査や介入試験の結果では、ポリフェノール類を摂取すれば心血管疾患などを効果的に予防できることが明確に示されています。

しかし他方、もともと植物の機能成分であるポリフェノールは、摂取しても生体に異物と認識され、大半が消化吸収されない、もしくは吸収されてもさらにその多くが代謝分解されてしまい、元の化合物としての機能を発揮できなくなることが指摘されています。


もちろん腸から吸収され、消化酵素や肝臓での代謝分解を運良く逃れ、ポリフェノールの形のままで血液に入り体内を巡るものも存在します。

しかしそれはあまりにも微量であることから、それだけで顕著な抗酸化やその他の生理機能を現すと考えるには不十分であると主張する研究者も多数います。

つまり、糖質やタンパク質など、他の栄養素と同様に血液に運ばれ全身に作用するという従来の概念からは、ポリフェノールには目に見えるような健康や美容の効果を期待することは難しいというわけです。






そこで、ポリフェノールが口から摂取されてから体内でさまざまな効果を示すまでの間、どのようなプロセスを経てどの部位に作用を及ぼすのか、ポリフェノールの体内動態に注目が集まり、解明が進められています。

例えば、消化管から吸収されにくいということは、逆に考えれば食物繊維やレジスタントスターチのように、大腸にまで届いて腸内環境に有用な働きをする可能性があります。

実際に動物実験では、脂質や糖分の多いエサを与えて腸内環境を悪化させたラットに、プロシアニジンというポリフェノールの一種を摂取させると、善玉菌が増えて腸内環境が回復したり、腸管バリア機能が強化されて体内の炎症を抑え、肝臓の脂質代謝も改善することが示されています。


しかし一方、研究によると、ポリフェノールを摂取した後の糞便を調査してみても、ポリフェノールの種類にかかわらず検出される代謝物は同じであるということです。

つまり、ポリフェノールの種類によって生理活性が異なる現状を顧みると、消化管から吸収されなかったポリフェノールが腸内で一定の良い効果をもたらすのは事実だとしても、多様な生体調節機能が腸内作用によるものであるという仮説は成り立ち難いことになります。






またヒトの場合は、ポリフェノールを摂取してから2~4時間という短時間の間に、一過的に心拍数や血圧が上がり、その後に血管内皮機能がよく働いて血圧が正常に戻るという反応が現れます。

また動物実験によれば、ポリフェノール摂取後に血流量やエネルギー代謝量が上がり、また血中アドレナリン量も増えます。

つまりここから、ポリフェノールを摂取したことで交感神経が刺激され、アドレナリン等の神経伝達物質が放出されたことにより、血液循環やエネルギー代謝の亢進といった反応が現れたことが考えられます。


このように、ポリフェノールを摂取後に体内に起こる一連の反応は、「健康のために適度な運動が必要である」という話がよく出ますが、“運動”による効果と酷似しているそうです。

運動、つまり筋肉や骨格を動かす行為をすると、そこにかかる物理的ストレスによる刺激が中枢神経に伝わり、中枢神経が交感神経を刺激して神経伝達物質を放出し、それを受けて全身に生理反応が引き起こされます。

特に血管系について言えば、心拍数が上がって血管が収縮し、血圧が上がります。
すると、このような変化を受けて、今度は血管内皮細胞がそれらを元に戻すため、一酸化炭素を生成して血管を弛緩させ、再び血圧を正常レベルまで低下させます。

そして、適度な運動を毎日の習慣としていると、この一連の反応が繰り返される中で、一酸化炭素生成の促進や内皮細胞の増殖など、良い意味での血管の再構築や新生が行われ、血管を若く保ち血圧の上昇を防ぐことができると言われています。






もう一つ参考として、交感神経を刺激する食品といえば、香辛料の辛み成分、すなわちカプサイシンやアリルイソチオシアネート等があります。

これらは、消化管に存在する知覚神経を通して交感神経に作用することが知られているので、ポリフェノールによって同じことが起きるか、動物実験を行いました。

すなわち知覚神経を除いたラットにポリフェノールを投与して、正常のラット同様に血液循環やエネルギー代謝を亢進させる反応が出るかどうかを見てみました。

結果としては、知覚神経を除いたラットにおいてはこれらの反応は起こらなかったため、摂取されたポリフェノールは、少なくとも一部は消化管の知覚神経に認識され、そこから交感神経に作用する可能性が示唆されました。


このように、消化管からの体内吸収が極めて少ないと考えられるポリフェノールについては、他にもさまざまな体内への作用ルートの可能性を探って、現在でも世界であらゆる研究が行われています。

未だに謎の多いポリフェノールの体内動態ですが、冒頭にも書きましたように少なくとも多くの介入試験や疫学調査により、その摂取による多様な生理機能、その結果としての炎症系の疾病-心血管疾患やアレルギー等の予防や改善の効果は明らかなものとされています。


そのメカニズムの解明については、科学的技術と知識の最先端にいる一流の研究者たちでさえ四苦八苦しているのですから、私たち一般人には到底窺い知ることもできませんが、昔から言われるように自然由来のあらゆる食品をバランス良く摂る、特に穀類・野菜・豆・ナッツなど植物由来の食べ物を欠かさない…などシンプルな食生活の指針を守ることが、大切な健康や若々しさを維持する一番の近道であることは確かなようです。


参考資料:
ポリフェノールパラドックス 生体利用性と機能性の矛盾
ポリフェノール研究の新たな展開 ~腸内細菌叢への着目~


カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介










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ポリフェノールの抗酸化効果を化学構造で説明。多く含む食品は?



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野菜や果物をはじめ、緑茶やコーヒー、ワイン等にもポリフェノールは豊富に含まれています。

摂取すると体内から活性酸素を除去してくれる“抗酸化作用”が強いとされるポリフェノールは、ストレスや化学物質の影響で日々活性酸素にさらされ続ける現代人に欠かせない「第7の栄養素」として、その健康や美容の効果に大いに注目が集まっています。

ダイエットに役立つ素材としても、話題に上ることも多いかもしれませんね。


多くの介入試験や疫学調査の結果から、血管の老化を防ぎ、心疾患や動脈硬化など怖い生活習慣病の発症リスクを下げる、さらには骨粗しょう症や認知症の予防効果まで期待できると言われるポリフェノール。

しかし一方で、脂質やタンパク質などの栄養素と違い、腸から体内への吸収率が極めて低いとされるポリフェノールが、一体どうやって抗酸化作用やその他の生体調節機能を顕著に発揮し、上記のようなあらゆるメリットを私たちにもたらすことができるのか?

この謎は「ポリフェノール・パラドックス」と呼ばれ、あらゆる研究・解析技術が進んだ現在でもなお、各国の専門家によって科学的探求が精力的に続けられている興味深い分野です。


この記事では、



このようなポリフェノールについてとても関心の高い疑問に対し、分かりやすくご説明したいと思います。

【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.ポリフェノールに“抗酸化作用”が期待できるのはなぜ? そのメカニズムとは?

2.ポリフェノールに、肥満や生活習慣病予防などあらゆる効果を期待できるのはなぜ?

3.ポリフェノールが炎症を抑制する仕組みとは? それによる具体的な効果とは?

① 抗酸化作用によるもの
② 植物種や異性体によっても異なる、それぞれの生体調節機能によるもの
③ 炎症の抑制により、ポリフェノールに期待される効果や効能とは?

4.“ポリフェノール・パラドックス”の謎とは?

5.ポリフェノールの含有量が多い食品には何がある?

6.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介









1.ポリフェノールに“抗酸化作用”が期待できるのはなぜ? そのメカニズムとは?


カカオに限らず、緑茶やワイン、果物やスパイス等に含まれるあらゆるポリフェノール類には「抗酸化作用がある」と言われます。

ポリフェノール (polyphenol) の“ポリ”とは、「複数の、多数の」という意味を表す接頭語です。

そして“フェノール”とは、ベンゼン環に水酸基 (OH:酸素原子1個と水素原子1個が結びついたもの) が幾つか結合した化学物質を言います。


ベンゼンという物質は、石油やアルコールの仲間であり「芳香族」に属します。

このベンゼンに多く含まれる“ベンゼン環”は、6個の炭素原子が環の形に繋がって正六角形をなし、その各炭素原子に水素原子が1個ずつ結合した構造をしています。


下の図ですね。
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がベンゼン環の化学構造 (Cが炭素原子、Hが水素原子)。
これを慣習的に のように書き表すことがよくあります。


このベンゼン環のうちの水素原子1個が、水酸基 (上にも書きましたが、酸素原子1個+水素原子1個)に置き換わったものが“フェノール”と呼ばれる物質です。
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上記のベンゼン環と比較して、外側のHの1つがOHに置き換わっているのが分かると思います。
ちなみにフェノールも、同じく のように書き表します。


そして、このフェノールが幾つも重合したり、糖やタンパク質などと結合して複雑な構造を為しているものが「ポリフェノール」と呼ばれます。

つまりポリフェノールは、その構造に水酸基“OH”をたくさん持つことになるのです。

例えば、カカオや黒大豆に多いエビカテキンやプロシアニジンと呼ばれる物質は、下の図のような構造になっています。
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「プロシアニジンの機能性」より引用させていただきました。

エビカテキンにもプロシアニジンにも、水酸基“OH”が外環に数多く付いているのが、上の図からもよく分かると思います。


この、酸素原子1個と水素原子1個の結合物である水酸基は、その性質として “非常に素早く酸化されやすい” という特徴があります。

従って、ポリフェノールが私たちの体内に入り活性酸素に出会うと、細胞膜やコレステロールなど 酸化のリスクが高い組織や成分の代わりに自らがいち早く酸化される ことで、これらの大切な脂質が酸化されダメージを受けるのを防ぎます。

またそれと同時に、ポリフェノールを酸化した活性酸素自身は還元されて酸化力を失いますから、活性酸素の無害化=除去がそこで行われたことになります。


さらに水酸基には、金属イオンを捕捉する能力があるため、ポリフェノールは体内に遊離する銅や鉄イオン等をつかまえてそのまま自らが排泄されることで、金属イオンを体外に排出する“キレート作用”があります

金属イオンは往々にして酸化反応の引き金となりやすいため、このキレート作用もまた、ポリフェノールの抗酸化力を支えていると言えるでしょう。

以上が、全般的なポリフェノールによる抗酸化作用の具体的なメカニズムです。


参考資料:一般財団法人 日本食品分析センター「ポリフェノールと抗酸化性」





2.ポリフェノールに、肥満や生活習慣病予防などあらゆる効果を期待できるのはなぜ?


これらの抗酸化作用が私たちの身体にもたらす具体的な効能としては、

  • ・肌・血管・内臓機能などの老化を防ぎ、若々しさや健康を維持する。
  • ・ガン・動脈硬化・アレルギーなど、さまざまな生活習慣病や現代病のリスクを抑える。

…などが挙げられます。


あるいは逆に言えば、上記のような健康上のメリットの大半が、要は ポリフェノールの優れた「抗酸化作用」によってほぼ説明が付いてしまう と言っても良いでしょう。


ポリフェノールの強力な抗酸化作用のメカニズムは、これまで述べてきた化学構造上の理由だけに留まりません。

単にそれ自体が活性酸素を還元しやすい性質を持つだけでなく、ポリフェノールは あらゆる機能を持った情報伝達物質として細胞間を行ったり来たりして、多彩な生理活性を及ぼす ことが知られています。


特に、ストレスや加齢により血管や脂肪組織で多発してしまう“炎症反応”に対し、いろんな受容体に結合したり酵素を活性化するなど、細胞に直接作用して体内の抗炎症システムを促し、最終的に炎症を鎮めるためのサポートをする働きは、動脈硬化やガンなど重篤な生活習慣病の発症リスクを低減する効果を大いに期待できるものです。

ポリフェノールになぜこのような効果を期待できるのか、それをより明確に理解していただくためには、次項にご説明する『ポリフェノールが炎症を抑制する仕組みとは? それによる具体的な効果とは?』をご覧いただくのが一番の近道かと思います。






3.ポリフェノールが炎症を抑制する仕組みとは? それによる具体的な効果とは?


① 抗酸化作用によるもの


現代社会に深刻な広がりを見せる、動脈硬化をはじめとしたさまざまな血管疾患 (高血圧・糖尿病・心不全・脳卒中、その他) やガン、アレルギーなど、私たちを脅かす さまざまな生活習慣病が“炎症”と大きな繋がりを持っています

特に、炎症がなかなか収束しないうちに次の炎症が発生し…ということの繰り返しで、体内に常に炎症が起こっている「慢性炎症」の状態は、自覚症状のないうちに全身の血管を傷つけて細胞や組織の老化を招き、上記のような命に関わる現代病の発症リスクを高めます。

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炎症 とは、ウィルスや化学物質など外敵の侵入、あるいは紫外線など外からの悪い刺激によって身体の組織が損傷を受けたときに、外敵から身を守り、そして損傷した部分を修復しようとして起こる生体反応です。

特に、外から入ってきた有害な異物を駆逐するために、白血球など免疫細胞が総動員され、免疫細胞は体内でつくり出された “活性酸素” を用いて対抗します。

活性酸素には、相手を酸化させて無力化するという毒性があるので、有害な異物を殺菌や消毒するのに有効なわけですね。


ところがこの活性酸素の毒性は、当然ながら私たち自身の生体組織にとっても有害であり、活性酸素が体内に過剰につくられてしまうと、今度は自らの細胞や組織を傷つけてしまいます。

こうして自らの細胞や組織が活性酸素に傷つけられると、そこで再び生体保護のために炎症反応が引き起こされ、免疫細胞と活性酸素がそこに集まってしまいます。

つまり、いったん炎症反応が過剰に大きくなってしまうと、活性酸素が次から次に増えてしまい、炎症が炎症を呼びいつまでたっても収まらないという事態になってしまうのです。


ということは、逆に活性酸素を減らすことができれば、一つの炎症が鎮まろうとするときに余分な活性酸素のせいで次の炎症を引き起こしてしまう…といった事態を少なくしていくことで、徐々に炎症を抑え、体内に平和な健康状態を取り戻すことができますね。

その働きが大いに期待されるのが、先にご説明したように、水酸基 (OH) の多い化学構造で活性酸素を還元・無害化する能力の高い“ポリフェノール” であり、その抗酸化力で炎症時に生じる余分な活性酸素を無害化して、血管や組織の炎症を抑えることができると考えられます。


② 植物種や異性体によっても異なる、それぞれの生体調節機能によるもの


no-titleまたポリフェノールは、単に自らが抗酸化物質として働くだけでなく、血管内皮細胞の内外を出入りしたり細胞同士を行ったり来たりする 情報伝達物質 として働きます。

そして、活性酸素をつくり出す酵素や過酸化脂質をつくり出す酵素を不活性化し、細胞による活性酸素の生成を抑えることで、血管の炎症をしずめる作用もあると考えられています。

さらにポリフェノールの種類によっては、血圧を上昇させるアンジオテンシンという酵素を不活性化する、インスリン分泌を促すインクレチンと呼ばれるホルモンの分泌を促す…等、私たちの健康に役立つ個々の生理作用を持っていることが明らかになっています。

ポリフェノールには、元は同じ物質であってもその複数がさまざまな形で結合した無数の ポリマー と呼ばれる重合体が存在し、このように少し結合の仕方や分子量が違うだけでも、その発揮する生理作用も異なってくることが知られています。


③ 炎症の抑制により、ポリフェノールに期待される効果や効能とは?


このように、抗酸化力やその他の生理機能により万病の元となる炎症をしずめる作用を持つポリフェノールは、特に 血管炎症を起源とする動脈硬化や心疾患・脳卒中など、現代人の死因の上位を占める生活習慣病の予防効果が大いに期待 されています。


さらに、若い人をも苦しめる アレルギー や、女性の悩みの種である 肌荒れ なども、活性酸素を元凶とする炎症や免疫反応を抑えることで改善や予防に繋がるとされます。





4.“ポリフェノール・パラドックス”の謎とは?


ポリフェノールの摂取が体内に及ぼす影響については、ヒトを使った試験や年月をかけた調査など規模の大きな研究が幾つも行われ、抗酸化・抗炎症・心血管疾患の改善や予防などの効果が確かに現れることは科学的に示されているといってもよいようです。

しかし一方で、ヒトの腸管から吸収されにくい、あるいは吸収されても分解代謝されてしまうため、ポリフェノールという物質そのものの血中濃度はどうしても低いものになってしまう…という状況の中で、なぜそれほどに顕著な作用を発揮できるのか…これが「ポリフェノール・パラドックス」と呼ばれ、最先端の医学・栄養学的知識を持ってしても未だに解決できない大きな疑問です。


しかし、世界中の優秀な研究者たちが日夜さまざまな研究を続けて真相解明のアプローチを行っており、そこから幾つかの興味深い仮説が現れてもいます。

この“ポリフェノール・パラドックス”を巡る最新の科学的知見については、以下の別記事に分かりやすくまとめていますので、よろしかったらご覧ください。
オススメ! ポリフェノール・パラドックスの謎…吸収されにくいのになぜ効果があるの?



5.ポリフェノールの含有量が多い食品には何がある?


少し前まではポリフェノールと言えば、ブルーベリーやなすに多いアントシアニン、大豆のイソフラボン、玉ねぎやブロッコリーに含まれるケルセチンなど、野菜や果物に多いイメージがあったような気がします。

しかし今では、むしろ 緑茶、コーヒー、ワイン、ココアなど、飲み物系にポリフェノール含有量が高いものがある ことが知られていますね。


下の図は、少し前の資料ですが、東京農業大学があらゆる植物性食品の機能性成分を解析して作成した「ポリフェノール含量ピラミッド」です。

これを見ると、ポリフェノールの多い食品は何かが一目で分かるので、毎日のヘルシーな食生活に大いに役立てていただけるかと思います。

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※下記より引用させていただきました。
東京農業大学 「食と農」の博物館 展示案内 (東京農業大学Webサイト内の pdf)




6.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介








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コラーゲンペプチドの効果・効能を最新研究から120%納得できるよう解説します。



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コラーゲン を食べ物やサプリとして摂取すると美肌によく効く…という噂には、賛否両論があります。

確かに私たちのからだの中で、コラーゲンはアミノ酸から合成され、エラスチンと呼ばれる弾性繊維とともに、皮膚の潤いを保ってツヤとハリを維持しています。

そのためコラーゲンは、美容を気にかける女性にとって大変魅力的な成分として、様々なサプリメントや化粧品の材料となっています。


そんなコラーゲンですが、幾らお肌によいと言っても、

「サプリや粉末、食べ物など外から他動物のコラーゲンを幾ら摂取しても、全く意味がない!」

…という主張も、実は大変根強いものがあります。


2017年3月1日放送の「ガッテン!」では、そんな“コラーゲン無意味派”の主張を覆す形で、外から摂るコラーゲンの有効性が改めて解説されました。

私自身も、番組を見たときには「そんなバカな(笑)」と眉唾物にしか思えませんでしたが、その後ネットなどで個人的によく調べてみた結果、この放送内容が一定の根拠を持っていることが理解できました。


効果あり? それとも効果なし? 

世間で混乱を招いているコラーゲンの効果・効能について、現段階での科学的研究で明らかにされているところを、誰が読んでも120%理解&納得できるように説明していきます。

【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.とりあえずガッテン放送内容の簡単なまとめ

2.コラーゲンの美肌作用が医学的には「効果なし」と言われてしまうのはなぜ?

3.「コラーゲンの摂取は意味ない」という主張は間違い~最新研究からの根拠

4.コラーゲンの効果・効能を120%理解するのに欠かせないキーワード説明

① 繊維芽細胞とは?
② コラーゲンペプチドとは?
③ ヒドロキシプロリンとは?

5.コラーゲンを食べて、本当に肌のダメージが修復されるメカニズムとは?

① コラーゲンは全てアミノ酸に分解されてしまう…という通説のウソ
② コラーゲンペプチドが直接コラーゲンになるのではなく、コラーゲンを増やす細胞を○○するから“効果がある”

6.美肌効果以外にもある!コラーゲンペプチドの優れた効果・効能とは?

① コラーゲンペプチドの、傷や炎症の回復を早める効果―皮膚を守る
② コラーゲンペプチドのアンチエイジング効果―血管を守る
③ コラーゲンペプチドの骨を丈夫にする効果―骨粗鬆症を予防?
④ コラーゲンペプチドのその他の効果-関節炎予防・軟骨の維持など

7.コラーゲンで嬉しい効果が出るのは、どんなタイプの人?

8.コラーゲンの最新研究データと摂取についての注意点~必ずお読みください。

9.コラーゲンペプチドに副作用や危険性はないの?

10.コラーゲンペプチドを効果的に摂取するには、どうしたらいいの?

① コラーゲンを多く含む食材とは?
② より効率的に摂取したいなら ― コラーゲンペプチド・サプリ おすすめランキング









1.とりあえずガッテン放送内容の簡単なまとめ


3月1日に「決定版!コラーゲンの効果100%活用SP」のタイトルで放送されたNHKガッテンの放送内容を、ごく簡単にまとめてみます。

従来は、コラーゲンを食べても結局体内でばらばらに分解されるので、コラーゲンとしての効果は期待できないというのが通説でした。

しかし最新の研究データによると、実はやはりコラーゲンを摂取するとお肌の調子をよくする効果が期待できることが明らかとなっています。

まずそのメカニズムを説明しますと、人がコラーゲンを食べたとき、体内でばらばらに分解されたコラーゲンの破片を血液中に見つけた「繊維芽細胞(せんいがさいぼう)」が、コラーゲンが壊れていると勘違いして(?)、慌てて自らを増殖させてコラーゲンを大量生産するからだそうです。

実際、病院の現場でも、寝たきりで皮膚に褥瘡(じょくそう)=床ずれができてしまう患者さんにコラーゲンをたくさん摂ってもらうと、その治りが明確に速いのだそうです。

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※画像はイメージです。
またコラーゲンは、皮膚だけでなく軟骨や関節、血管や骨にも効果があると言われます。

近年、病院で利用されるばかりでなく、お正月の箱根駅伝でも見かける城西大学の駅伝部では、部員がコラーゲンを摂取し、足や関節の調子がよくなったと実感しているそうです。


京都大学大学院農学研究科、佐藤健司教授の研究によると、動物実験において、繊維芽細胞にコラーゲンを加えると明らかに細胞が増殖・活性化することが確認されています。

繊維芽細胞というのは、主に傷や炎症などダメージの修復に関わる細胞で、私たちの体のどこかが損傷を受けるとそこに集まり、自ら増殖しながら修復に必要な組織を形成していきます。

例えば皮膚にすり傷ができれば、コラーゲンなど皮膚組織を積極的に産生し、傷の治りを早めるといったことですね。

つまり、コラーゲンを食べれば誰でもその作用の恩恵にあずかるわけではなく、顕著な効果を体感できるのは、あくまでもからだのどこかに一定のダメージを受けている人に限られます。

例えばお肌に関してならば、高齢や紫外線の影響が大きい人、極端な乾燥肌やすり傷などのある人。 若くて何もしなくてもお肌ぷるぷる、ピチピチという方は、コラーゲンを食べてもほとんど変化はありません。

すなわち、従来の栄養学による「コラーゲンは効果なし」の通説は、厳密には正しくありません。
近年の研究により、コラーゲンの摂取がお肌や関節の調子をよくするアンチエイジングの効果・効能をもたらす可能性もあることが分かってきたのです。


ガッテンの放送内容は、簡単にまとめるとおおよそこのようなものです。



2.コラーゲンの美肌作用が医学的には「効果なし」と言われてしまうのはなぜ?


これまで専門家の間では、医学的・栄養化学的な観点からは、もともと他動物のものであるコラーゲンをサプリにしろ食べ物にしろ口から摂取したところで、肌における直接的なコラーゲンとしての効果はなく、美肌を意識してコラーゲンをたくさん摂ることは全く意味がないものと考えられてきました。

そのような考え方は、具体的にはどんな医学や栄養化学の理論を根拠としてきたのでしょうか?

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それは、私たち生命体が持つ基本的なメカニズムに由来しています。

私たちは栄養源として、植物にしろ動物にしろ他の生命体を食べなければいけません。
そしてそこから、その食べた生命体でなく、私たち自身の体をつくり、機能を助ける栄養分だけを取り込まなくてはならないのです。

そのためには、もとの生命体の情報が私たちの体内で現れ、私たちヒトとしての生命の営みを邪魔することのないように、食べたものをそのまま体内に取り入れるのではなく、食べたものを最小単位の栄養素にまで分解してから消化します。

例えば、牛や豚の肉を食べても、そのタンパク質は胃や小腸で消化酵素によってアミノ酸に分解されてから体内に吸収されます。
牛や豚の筋肉を構成しているタンパク質がそのままヒトのからだに取り入れられることは、決してありません。

ですから、牛や豚の肉を食べても、ちゃんと分解したアミノ酸を一から組み直し、ヒトの筋肉を構成してから再利用されるわけで、決して牛や豚の筋肉がそのまま私たちのからだに付くわけではないですね。


コラーゲンもこれと同じで、コラーゲンもタンパク質の一種ですから、牛や豚の肉を食べたのと同じようにアミノ酸に分解されて吸収されるのみであり、結局はタンパク質を食べるのと同じ効果しかない…というのが、今までの(今でも?)大半の医学者や栄養学者の常識的な見解です。


コラーゲンの場合は、具体的には次のような種類のアミノ酸からつくられています。

①グリシン
②プロリン
③ヒドロキシプロリン
④その他、人体を構成できる20種類のアミノ酸



コラーゲンを形成する過程で、②のプロリンの一部が化学変化を起こし、③のヒドロキシプロリンという物質になります。
このヒドロキシプロリンが、もとは細い繊維体であるコラーゲンを互いに結合しており、これで初めて皮膚や間接など体の各部位で潤いや弾力を保持するコラーゲン層を形成することが可能になるので、ヒドロキシプロリンはコラーゲンに欠かすことのできないアミノ酸です。

そして私たちがコラーゲンを摂取し、消化器官で分解する際には

①グリシン
②プロリン
③ヒドロキシプロリン
④その他のアミノ酸



この4種類に分解して吸収します。
しかし残念ながら、③のヒドロキシプロリンをプロリンに戻すことはできないようです。

そして①のグリシンと③のその他アミノ酸は小腸から吸収しますが、②のヒドロキシプロリンだけは吸収されず、体外に排出されます。
これはあくまでも他動物のコラーゲン形成のために他動物の体内でつくられた特殊なアミノ酸であり、人体でそのまま再利用することはできないからです。


「元の生命体の情報が現れない最小単位まで必ず分解してから吸収し、そこまで分解できない成分は吸収しない(もしくは吸収しても体内で利用せず、最終的には全て排出する)」という、生命体の基本的なメカニズムに即して考えれば…。

コラーゲンを幾ら頑張ってたくさん食べたところで、タンパク質を多めに食べる以上の意味はなく、コラーゲンそのものによる直接的な美肌効果はほとんど期待できない…という専門家の主張は全く正しいように思えます。

ところが、最近の研究から得られた結果を踏まえ、「コラーゲンの摂取には、やはりある程度の効果が期待できる」という新たな見解もまた、科学者や医学者といった専門家の中から出始めているのです。



3.「コラーゲンの摂取は意味ない」という主張は間違い~最新研究からの根拠


外から食べたコラーゲンがそのまま直接、私たちの皮膚に入り込み、お肌の潤いや弾力性をもたらしてくれるわけでは決してありません。

no-title従来の医学や栄養学の常識として、基本的にはタンパク質を摂取すると、人体は消化器官でそれを完全にアミノ酸レベルにまで分解し、体内で再利用できるもののみを吸収して新陳代謝や生理機能に利用し、そうでないものは代謝せずに外に排出してしまうものと考えられてきました。

しかし最近の研究では、コラーゲンを摂取したあとに血液の成分を調べてみると、(これまでは消化吸収されないと言われていた) コラーゲンペプチド、中でも特にヒドロキシプロリンの濃度が、普段よりもずっと高くなっていることが分かったのです。

そしてその増えたヒドロキシプロリンが、ある条件付きではありますが、何らかの作用で繊維芽細胞を活性化し、結果としてコラーゲンが増産されたりお肌の調子がよくなったりするのは事実だということです。

実際、被験者に1日一定量のコラーゲンを摂取させ、数週間後に精密機器による皮膚状態の検査を行ったところ、肌の水分量や弾力性、キメなどが改善し、シワの本数も有意に減少したとする実験報告が複数存在します。

例えば、下記のようなページが参考になります。
・マイナビニュース「常盤薬品と阪大、コラーゲンドリンクの継続飲用による美容への有効性を実証」
・新田ゼラチン Wellnex

それでは以下、現在の研究報告から推測される範囲で、コラーゲンペプチドがどのようなメカニズムで私たちの身体に作用し、お肌を始めとして関節・骨・血管などあらゆる部位のダメージを改善してくれるのか、それを分かりやすく解説していきたいと思います。

その前に、これをよく理解するのに必要なキーワードについてご説明しておきます。



4.コラーゲンの効果・効能を120%理解するのに欠かせないキーワード説明


① 繊維芽細胞とは?


私たちの皮膚は、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などが“真皮”と呼ばれる弾力性のある組織を構成し、表皮と皮下組織とを結合していますが、この真皮に当たる部分をつくり出しているのが「繊維芽細胞」です。

そして上の『ガッテンの放送内容まとめ』でも述べたとおり、繊維芽細胞はお肌に限らず、骨や関節、血管など全身の傷や炎症といったダメージを修復するのに欠かせない細胞です。

私たちの体のどこかが損傷を受けると、ある成分が血液中に増加するのを目印にすぐさま感知します。
そして即座に損傷部位に集まり、自ら増殖しながら修復に必要な組織を形成していくのです。

その、繊維芽細胞が目印とする“ある成分”。
これが実は、次に詳しく述べる「コラーゲンペプチド」なのです。



② コラーゲンペプチドとは?


“コラーゲンペプチド”における「ペプチド」とは、複数のアミノ酸がある決まった順番で繋がった分子の一群と理解すればよいです。

一般に、アミノ酸が50個以上繋がったものがタンパク質、50個未満のものがペプチドと覚えておけば分かりやすいでしょう。
(厳密には“ペプチド結合”と呼ばれる結合のしかたに定義がありますが、ややこしいので省略します)


つまり「コラーゲンペプチド」とは、コラーゲンが一つ一つのアミノ酸レベルにまで分解しきれず、アミノ酸が幾つか繋がったままの形で残っている、ガッテンの放送に即して言えば『コラーゲンの破片』と捉えることができます。

そして、このコラーゲンペプチドにも幾つか種類があります。
中でも特に食品やサプリからコラーゲンを摂取したあと血液中に多く見出されるのが、“Pro-Hyp (プロリル・ヒドロキシプロリン)“Hyp-Gly (ヒドロキシプロリル・グリシン)です。

Pro-Hyp (プロリル・ヒドロキシプロリン)とは、プロリンとヒドロキシプロリンが結合したもの。
Hyp-Gly (ヒドロキシプロリル・グリシン)とは、グリシンとヒドロキシプロリンが結合したものです。

先ほど述べましたように、摂取したコラーゲンは分解され、プロリンやグリシンなど単体のアミノ酸は普通にアミノ酸としてタンパク質合成に再利用されていきますが、分解しきれずペプチドとして残ったこれらの Pro-Hyp や Hyp-Gly は、そのまま吸収されて血中に入ること、そして幾つかの非常に大切な生理活性機能を示すことが分かってきました。



③ ヒドロキシプロリンとは?


コラーゲンを構成するアミノ酸の一つ“プロリン”に、水素原子と酸素原子が結合して“-OH”がついたもの、これが「ヒドロキシプロリン」です。

この“-OH”の部分が、互いに繋ぎ合う“手”のような役割を果たすので、元は1本の細いアミノ酸の糸でしかないコラーゲンが、あの柔軟かつ丈夫なコラーゲンの繊維状の固まりとなり、私たちの皮膚や関節、血管を守ることができるのです。

このヒドロキシプロリンは自然界に存在するアミノ酸の一種ですが、非常に特殊で、まずコラーゲンにしか見出すことができません。

そしてこのヒドロキシプロリンを含んだコラーゲンペプチドこそが、いわゆる昔から知られたコラーゲン効果=美肌効果の他にも、さまざまな優れた健康機能をもたらしてくれる源だったのです。



5.コラーゲンを食べて、本当に肌のダメージが修復されるメカニズムとは?


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まず、これまで「コラーゲンを食べても効果はない」と教えられてきた(?)私たちが、その常識を大きく覆すポイントとして押さえなければならない点が2つあります。

それは、最近の研究で明らかにされた新発見であり、次の二点です。



① コラーゲンは全てアミノ酸に分解されてしまう…という通説のウソ


コラーゲンを摂取すると、消化器官でアミノ酸に全て分解されてから吸収されるため、コラーゲンそのものが体内に入ることはない ― という従来の栄養学の考え方を少し改める必要があります。

no-title確かに繊維状をしたコラーゲンの固まり自体がそのまま体内に入ることはないですが、このコラーゲンが細かく分かれた“コラーゲンペプチド”は、小腸から微量でなく一定量が吸収されて血液中を流れ、全身を回るということ。

また、特にコラーゲンペプチドの中でも、上述した他動物のコラーゲンとして働いた名残である“ヒドロキシプロリン”を含んだペプチドがちゃんと吸収され、コラーゲン摂取後、数時間近くも血液中にかなりの濃度で存在するのです。

これは、2003年にヒトを使った実験で明らかにされています。
今回のガッテンにも出演されていた、京都大学大学院農学研究科、佐藤健司教授による実験です。

被験者にコラーゲンペプチドを摂取してもらってから採血し、その中のヒドロキシプロリン型ペプチドの量を測定したところ、血中にペプチドが移行してから3時間経過しても、これまで考えられていたよりも3万倍もの濃度のペプチドが確認できたそうです。

これは、従来の栄養学の常識とはかけ離れた、非常にサプライズな研究結果でした。



② コラーゲンペプチドが直接コラーゲンになるのではなく、コラーゲンを増やす細胞を○○するから“効果がある”


上記の実験の結果を受けて、佐藤教授はさらに続きの研究をしました。
つまり、血中のコラーゲンペプチドが私たちの体にどのような機能をもたらすのか? の解明です。

以下は、マウスの繊維芽細胞にコラーゲンペプチドがどんな影響を与えるかの研究結果です。



研究1:マウスの皮膚片を直接培養し、繊維芽細胞の動きを比較する。

no-titleマウスの皮膚片を直接培養すると、繊維芽細胞が自ら活発に動き出します。

生体である1匹のマウスから皮膚を取り出すのですから、細胞から見れば、生体がダメージを受けた=ケガをしたのと同じ状態ですね。

ですからそこを修復するために、白血球や繊維芽細胞が自ら動いて集まってくるのです。
この動きを、細胞が「遊走する」と言います。

この遊走している繊維芽細胞に、コラーゲンを食べたときに吸収され、最も多く血液中に存在するコラーゲンペプチドである“Pro-Hyp (プロリル・ヒドロキシプロリン)”を加えると、遊走してくる繊維芽細胞の数がはっきりと増加しました。

つまり組織が炎症を起こすなどダメージ状態にあるとき、繊維芽細胞はPro-Hypによって用量依存的に(その数や量に比例して)活性化されることが分かります。



研究2:繊維芽細胞をコラーゲンゲルの中に移し、繊維芽細胞の動きを比較する。

次に、生体のダメージ状態でなく、炎症も傷もない普通の状態でPro-Hyp が増えたとき、繊維芽細胞がどんな反応を示すかを実験しました。

普段、繊維芽細胞はコラーゲンなど細胞外の基質に接着して存在しています。
そのような状態にあるとき、繊維芽細胞の動きや増殖は抑制されることが知られています。
ダメージが何もなく、どこかを修復するために遊走や増殖する必要もないのですから、静かにおとなしく体力温存しているわけですね。

そんな、生体としてノーマルな状態のとき、Pro-Hyp が血中に増えると繊維芽細胞はどうなるのか?
これを調べるため、マウスの繊維芽細胞をコラーゲンゲルの中に播種し、Pro-Hyp を加えてみました。

すると、やはり繊維芽細胞は活発に増殖し始めました。
これも先の実験と同じく、Pro-Hyp の量に比例して増殖する割合も増えました。

つまり繊維芽細胞がコラーゲンの中で静かにしているときも、Pro-Hyp によって活性化され、ダメージの治癒が促進されることが推測されます。



研究3:マウスの肉芽腫にPro-Hyp がつくられていることを確認。

さらに佐藤教授は、マウスを解剖して取り出した肉芽腫 (外から侵入した病原体や異物の作用を抑えこむため、免疫反応によって形成される腫瘤のようなもの) に、Pro-Hypが産生されていることを確かめました。

no-titleつまりこれは、身体のどこかに炎症が起きたとき、そこからPro-Hyp がつくられて放出され、ダメージの修復が必要であることを繊維芽細胞に知らせる「細胞外メッセンジャー」としての役割を果たすためのものだと考えられるのです。

そして、コラーゲン食品を外から摂取したときにも吸収されるPro-Hypはこれと同じものであり、このPro-Hypが増えているのを感知した繊維芽細胞が、身体のどこかにダメージがあるものと認め、その修復のために活発に動き出すという可能性が考えられます。

つまり、ガッテンの番組の中で「コラーゲンの破片を見た繊維芽細胞が、コラーゲンが壊れたと勘違いして、コラーゲンを増産し始める」という一見荒唐無稽と思われそうな(?)解説もありましたが、この説明もあながち根拠のないものでもないわけです(^^;)。





6.美肌効果以外にもある!コラーゲンペプチドの優れた効果・効能とは?


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近年、コラーゲンペプチドについての研究が進み、食品から摂るコラーゲンのさまざまな効果や効能が、医学的・科学的に実証されつつあります。

特に、従来から言われる美肌効果ばかりでなく、骨や血液など、私たちの健康を直接左右する組織にまで影響を及ぼす可能性が示唆されています。

我が国でも近年、ガンや心疾患、動脈硬化、骨粗鬆症などの生活習慣病が社会問題化しています。
コラーゲンペプチドの摂取は、これら生活習慣病の予防も期待できる可能性を秘めています。

ここではコラーゲンペプチドの、美肌作用以外にもたくさんあると思われる、私たちの健康維持に大切な効果や効能について、現段階の研究報告から推測されているものを、幾つかご紹介します。

※これらの研究の中には、ヒト試験でなく動物実験段階のものも含まれています。



① コラーゲンペプチドの、傷や炎症の回復を早める効果―皮膚を守る


褥瘡(床ずれ)やすり傷の治癒促進効果

no-title炎症の修復を主な働きとする繊維芽細胞を活性化してくれるコラーゲンペプチドは、すり傷・切り傷・皮膚炎といった肌の外的ダメージにも良い作用をもたらします。

特に、病院で寝たきりの方などに起こる“床ずれ=褥瘡(じょくそう)”の回復を早めるのに、コラーゲンの摂取が大変効果的であることが、近年実証されています。

病院食でコラーゲンゼリーを毎日食べるようにすると、それまでは1年以上も治らなかった床ずれが、わずか1ヶ月ほどで傷口が塞がる事例も出てきました。

日本褥瘡学会誌が正式に掲載したデータによると、コラーゲンを1日10g摂取した結果、4ヶ月後に大きな改善が見られた方は全体の75%にも上りました(コラーゲンなしの場合は19%)。

また、褥瘡をつくった実験用ラットに、コラーゲンペプチドとアルギニンを投与してその治癒効果を比較しました。
アルギニンは、すでに褥瘡治癒の促進効果が確認され、摂取を推奨されているアミノ酸です。

すると、何もしない褥瘡ラットに比較すると、明らかに褥瘡の面積が縮小するスピードが速くなり、治癒までの日数が短縮しました。
特にコラーゲンペプチドの治癒効果は、アルギニンと同等か、それ以上に高い効果が期待できることが示されました。

このように、褥瘡をはじめとする皮膚の外傷に関しては、コラーゲンペプチドの治癒促進効果は研究により確かめられています。

実際に、日本褥瘡学会は、公式に出版している『在宅 褥瘡予防・治療ガイドブック 第3版』の中で、褥瘡の予防や治療に必要な栄養素として、亜鉛やアルギニン、n-3系脂肪酸などとともに、コラーゲンの摂取も推奨しています。



その他の皮膚を守る効果

no-titleその他にも、紫外線ダメージの回復や、日焼けによる皮膚ダメージの回復を促進すること等が、幾つかの研究報告として上がっています。

特にPro-Hyp については、線維芽細胞のヒアルロン酸合成を促進することが確かめられています。



② コラーゲンペプチドのアンチエイジング効果―血管を守る


no-titleコラーゲンペプチド摂取による、血流の改善・血圧の降下・血糖値の抑制効果なども確かめられています。

ガッテンの中でも紹介されましたが、愛媛大学医学部付属病院の研究では、50代~80代の男女にコラーゲン5gを飲んでもらって、血管への効果を検証しました。

その結果、プラセボを飲んだ人にはほとんど変化がなかったのに対し、コラーゲンを飲んだ人は、血管の柔らかさが平均で5歳分も若返ったと言います。

近年、さまざまな生活習慣病や老化現象が血管の炎症を発端とするケースが多いことが分かり、また血管年齢、すなわち血管の柔らかさやしなやかさがその人のアンチエイジング度を決定するとまで言われています。


その血管の20%は、実はコラーゲンから構成されています。
コラーゲンペプチドによる繊維芽細胞の活性化によって、血管コラーゲンの新陳代謝がバランスよく行われ、その人の血管を若々しくしなやかに保つことで、上記のような高血圧予防(血圧降下)、糖尿病予防(血糖値抑制)などの効果も期待できることは、不思議ではありません。



③ コラーゲンペプチドの骨を丈夫にする効果―骨粗鬆症を予防?


no-titleコラーゲンペプチドの摂取により、骨を強くし骨粗鬆症を予防する効果が期待されています。

リンを多量に摂取させて骨粗鬆症としたマウスに、Pro-Hyp (プロリル・ヒドロキシプロリン)と Hyp-Gly (ヒドロキシプロリル・グリシン)をエサとして与えた結果、骨密度が増え、骨強度が高くなりました。

骨も常に新陳代謝が行われ、古くなった骨は破骨細胞が溶かしていき、同時に骨芽細胞が新しい骨をつくっていきます。
ヒトの場合、成人では約10年で全ての骨が入れかわると言われています。

そして、破骨細胞が骨を溶かしてその成分が血液中を流れますが、その中に含まれるコラーゲンペプチドが、骨代謝を調製する機能を果たしているのではないかと推測されています。

細胞培養での実験では、Pro-Hyp が破骨細胞と骨芽細胞を活性化して骨の新陳代謝を促し、逆に破骨細胞が働きすぎて骨を壊しすぎると、今度はHyp-Gly が破骨細胞を抑制し、骨代謝のバランスを取ることが分かっています。

特にPro-Hyp は、骨芽細胞が骨を合成する際に働く一連の酵素の発現を増加させる作用があることが知られています。



④ コラーゲンペプチドのその他の効果-関節炎予防・軟骨の維持など


no-title働き盛りのビジネスマンでも、加齢とともに膝の曲げ伸ばしに痛みが伴い、歩行や階段の上り下りが苦痛になるのは、よくあることだと思います。

膝や肘といった関節の、骨と骨をクッションのように柔らかく繋ぎ、自由に滑らかに動くようにしているのが軟骨です。

しかしこの軟骨は、加齢や肥満、悪い姿勢、あるいは成長期の激しいスポーツなどによってすり減り、また石灰化が進んでクッション機能が低下してしまうことがあります。

そうすると、骨も変形して強い痛みが生じてくるのです。


コラーゲンペプチドの主要成分であるPro-Hyp やHyp-Gly は、関節を構成している軟骨細胞や滑膜細胞に働きかけ、コラーゲンやヒアルロン酸の合成を促進して軟骨の変形を抑制し、関節の痛みを改善する効果が確かめられています。

マウスに、リンを多量に含んだエサを与えて骨密度を低下させつつ、一部のマウスには同時にコラーゲンペプチドも与えて3週間飼育する実験をしました。
そうすると、コラーゲンペプチドを与えたほうのマウス群は、そうでない群に比べて、軟骨の層が厚く、軟骨の細胞数も増えているという結果が出ました。

またヒトにおいても、変形性膝関節症の患者さんに、コラーゲンペプチド10g/日を約3ヶ月間摂取してもらったところ、膝機能と疼痛の世界的な判定基準であるWomacとVasの両方において、有意に改善効果が見られました。


ドイツではすでに5年も前から、コラーゲンが関節炎の治療に使われて始めています。

現場の医師によると、コラーゲンは普通の痛み止めの薬よりも効果が出るのに時間がかかるが、痛みの元となる炎症そのものを抑えるので、一時的でなく根本的に痛みが和らぎ、多くの患者さんの苦しみを軽減してくれるとのことです。


ガッテンでも紹介がありましたが、日本でも、箱根駅伝の常連校である城西大学の駅伝部が、学生寮での食事にコラーゲンを取り入れており、「力もつくようになってタイムも伸び、効果が感じられました」という部員の声も聞かれています。

長距離走は膝への負担も大きいスポーツですから、関節を守る軟骨の機能や痛みを改善するコラーゲンペプチドが効果を発揮するのは、十分に考えられることです。



7.コラーゲンで嬉しい効果が出るのは、どんなタイプの人?


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ガッテンの放送内容によると、コラーゲンが効果的で使用を特におすすめできるのは、次のようなタイプの方です。

① 高齢の人
加齢が原因で、肌の状態がかなり悪くなってしまった方が、コラーゲンの摂取でシワやかさつきが改善した事例が複数ある。
一方、若い人が飲んでもあまり効果は見られないという報告が多い。
(ただし“年相応”の肌の衰えには、大きな効果は期待できないようです)


② 炎症のある人 (大けが、関節痛、日焼け、冬の乾燥、etc.)
肌の状態が普通に健康な状態でない、何らかのダメージを負っている人には、炎症を修復する働きのある繊維芽細胞の活性化を促すコラーゲンペプチドの摂取は、効果があるようです。


動物実験においては、コラーゲン摂取による骨密度の増加などの効果が報告されていますが、これらは全て、組織に明らかな炎症やダメージが認められた場合に限られています。

no-titleまたヒト試験においても、褥瘡の治癒促進や冬季の乾燥肌の改善など「効果あり」の報告に関しては、からだの組織のトラブル時、あるいは高齢などのケースで特に高い効果が見られています。

つまりコラーゲンペプチドは、摂取すれば誰にでも顕著な効果が現れるわけではなく、ケガや炎症など明らかに組織にダメージや異変がある場合、あるいは加齢によるダメージが強い場合に、繊維芽細胞を活性化する機能を示すようです。

ですので、何もしなくても今のままで十分にお肌ぷるぷる・ピチピチな若い女性の方が、もっともっと美しくなりたいとコラーゲンを頑張って食べても、ほとんど変化はないということです。

それどころか、タンパク源がコラーゲンに偏ってアミノ酸のアンバランスを起こし、かえって美容を損ねる結果になるかもしれません。
何事も欲張りは禁物、ということですね (^^;)



8.【重要】コラーゲンの最新研究データと摂取についての注意点~必ずお読みください。


コラーゲンを使用する際には、次のような点に留意した上で購入・摂取してください。

●コラーゲンはあくまでも食品なので、薬のように確実な顕著な効果は期待すべきではありません。

●コラーゲンペプチドについての本格的な研究は、まだ一部の研究者によって始まったばかりです。
ここでご紹介した実験や研究の結果について、大規模なコホート研究やメタアナリシスのような裏付けがあるわけではなく、再現性があるかどうかも保証はありません。

●ここでご紹介したようなコラーゲンペプチドの効果・効能を期待してコラーゲンや関連食品を摂取する際は、ご自身の判断でお願いします。


なお、国民の栄養・健康・食生活等について客観的な立場から調査研究を行う、国の独立行政法人である『国立健康・栄養研究所』のホームページを参照すると、コラーゲンについては「効果がある」とする報告と「効果がない」とする報告とどちらも存在することが分かります。

コラーゲンペプチドについての本格的な研究は、まだ最近始まったばかりで、発展途上の段階にあると言えます。
また、どんな健康食品でもそうですが、摂取する人・症状・タイミングによっても効果の現れ方は異なります。
したがって「効果がある」or「ない」を早急に断定することはできません。


上記の国立健康・栄養研究所の見解について詳しく知りたい方は、下のリンク先をご覧ください。
コラーゲンの有効性ばかりでなく、安全性に関わる事例も詳しくまとめられているので、参考になると思います。

●国立健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」
「健康食品」の素材情報データベース ― コラーゲン




9.コラーゲンペプチドに副作用や危険性はないの?


no-titleコラーゲン食品 (ゼラチンも含む) は動物性由来であり、牛・豚・鶏・魚などを原料としています。

タンパク質や卵など動物性のものにアレルギーのある方は、摂取されないことをおすすめします

また、肝臓病、腎臓病などのある方、妊婦の方などは、医療機関に相談の上でご使用ください。




10.コラーゲンペプチドを効果的に摂取するには、どうしたらいいの?


① コラーゲンを多く含む食材とは?


やはり基本的には、食材からの摂取が一番おすすめです。

no-title鶏手羽・うなぎ・豚足の煮込み・牛すじなどがコラーゲンを多く含みます。

加熱後に冷ましたとき、いわゆる"煮こごり"ができるものですね。
魚の煮付けでしたら、鯛・ヒラメ・ブリ・鯖など何でもOK。


より効率的にコラーゲンを摂りたい場合は、ゼラチンをお料理に使うとよいです。
ゼラチンは牛・豚・鶏・魚などの動物に含まれるコラーゲンを加熱・抽出してつくられます。

お値段も、サプリ用コラーゲン(コラーゲンペプチド)が一般的に100g当たり1,000~2,000円かかるのに対し、料理用ゼラチンは500円程度が相場ということです (メーカーや原材料によっても異なります)



② より効率的に摂取したいなら ― コラーゲンペプチド・サプリ おすすめランキング


ただし、やはりコラーゲンペプチドそのものと比較すると、血液中への吸収量が違います。
ガッテンの調べによると、ゼラチンの吸収量を1とすると、コラーゲンサプリは約1.8倍も吸収率が高いのです (体質などの個人差、メーカーや商品によっても違ってきます)

そこで当ブログでは、高品質でおすすめのコラーゲンペプチド・サプリ商品をご紹介しておきたいと思います。

コラーゲンペプチド・サプリ おすすめランキング
商 品 名商 品 の 特 徴
【豚皮由来】コラーゲンペプチド(ドイツ生産)

※ おすすめ度
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コラーゲン通販の専門店が販売する、ドイツ産の高品質(一番搾り)コラーゲンペプチド。純度100%でもちろん無添加。お値段も1日当たり37円と、最も低価格でコスパ良しです。EU圏の食品基準は日本と同等かそれ以上に厳しいので、安心して購入できます。下のリンク先をご覧になれば分かりますが「はっきり申し上げられるのは、コラーゲンを1日5g以上、継続することが美容と健康をサポートするということです」と、過剰宣伝もなく好感が持てます。高品質コラーゲンペプチドを低価格で提供できる理由も下記の商品サイトに説明があります。送料は購入1点なら160円~。
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