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ポリフェノール・パラドックスの謎…吸収されにくいのになぜ効果があるの?



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緑茶やコーヒーなどの飲み物をはじめ、野菜や果物に豊富に含まれるポリフェノール。

抗菌・抗酸化・抗炎症などの優れた作用を発揮することから、血管や組織の若々しさを保ち、健康維持や生活習慣病の予防ばかりでなく、美容やダイエットにまで大きな効果を期待されています。

幾多の研究や実験により、ポリフェノールの摂取が明らかに動物やヒトの身体に良い影響を及ぼすことは、今や専門家の間でも疑い得ない事実 となりつつあります。


しかし一方で、ポリフェノールは 体内への吸収率や利用率が非常に小さいということもよく言われます。

そんなポリフェノールが、どうして顕著な効果効能を示すことができるのか?


この記事では、科学者にとっても大きな疑問であり、未だにはっきりとは解明されていないこの「ポリフェノール・パラドックス」について、専門家が日夜さまざまな研究や検証を進めながら、現在時点で考えられている幾つかの興味深い仮説を分かりやすく解説したいと思います。

【目次】

★見出しタイトルの一覧です。
ブログの仕様上、リンクはできませんが、スクロールして興味ある個所からご覧ください。

1.「ポリフェノール・パラドックス」って何?

2.ポリフェノールはどうやってヒトの体に効果をもたらす? ポリフェノールの体内動態に注目

① 食物繊維と同じく、ポリフェノールは腸内細菌に分解される?
② 運動と同じく、ポリフェノールは交感神経を刺激する?
③ 香辛料と同じく、ポリフェノールは知覚神経に作用する?

3.ポリフェノールの作用メカニズムはいまだに謎。でもいろんな効果効能が期待できるのは事実。

4.カカオ・チョコレートの効果効能など関連記事のご紹介









1.「ポリフェノール・パラドックス」って何?


これまで行われた多くの疫学調査や介入試験の結果では、ポリフェノール類を摂取すれば心血管疾患などを効果的に予防できることが明確に示されています。

しかし他方、もともと植物の機能成分であるポリフェノールは、摂取しても生体に異物と認識され、大半が消化吸収されない、もしくは吸収されてもさらにその多くが代謝分解されてしまい、元の化合物としての機能を発揮できなくなることが指摘されています。


この『消化吸収されにくいはずなのに、摂取すると明らかに何らかの効果がある (と推測される)』というポリフェノールの矛盾した特性を「ポリフェノール・パラドックス」と呼びます。


このポリフェノール・パラドックスが、

「ポリフェノールは体にいいから、摂取すると健康や美容に効果的!」
「いや、消化の際に分解されるか排泄されてしまうから、食べてもほとんど関係ない!」


という終わりのない議論を、世間やマスコミばかりでなく医学者や栄養学者といった専門家の間にまで引き起こしているのですね。


2.ポリフェノールはどうやってヒトの体に効果をもたらす? ポリフェノールの体内動態に注目


もちろんポリフェノールの中にも、運良く腸管から吸収され、消化酵素や肝臓での代謝分解を免れたまま血液中に入り、つまり元々のポリフェノールの形を維持して体内を巡るものも存在します。

しかしそれはあまりにも微量であることから、それだけで顕著な抗酸化やその他の生理機能を現すと考えるには不十分であると主張する研究者も多数います。

つまり、糖質やタンパク質など、他の栄養素と同様に血液に運ばれ全身に作用するという従来の概念からは、ポリフェノールには目に見えるような健康や美容の効果を期待することは難しいというわけです。


そこで、ポリフェノールが口から摂取されてから体内でさまざまな効果を示すまでの間、どのようなプロセスを経てどの部位に作用を及ぼすのか、ポリフェノールの体内動態 に注目が集まり、解明が進められています。






① 食物繊維と同じく、ポリフェノールは腸内細菌に分解される?


消化管から吸収されにくいということは、逆に考えれば、食物繊維やレジスタントスターチのように、大腸にまで届いて腸内環境に有用な働きをする可能性があります。

実際に動物実験では、脂質や糖分の多いエサを与えて腸内環境を悪化させたラットに、プロシアニジンというポリフェノールの一種を摂取させると、善玉菌が増えて腸内環境が回復したり、腸管バリア機能が強化されて体内の炎症を抑え、肝臓の脂質代謝も改善することが示されています。


しかし一方、研究によると、ポリフェノールを摂取した後の糞便を調査してみても、ポリフェノールの種類にかかわらず検出される代謝物は同じであるということです。

つまり、ポリフェノールの種類によって生理活性が異なる現状を顧みると、消化管から吸収されなかったポリフェノールが腸内で一定の良い効果をもたらすのは事実だとしても、多様な生体調節機能が腸内作用によるものであるという仮説は成り立ち難いことになります。


② 運動と同じく、ポリフェノールは交感神経を刺激する?


ヒトの場合は、ポリフェノールを摂取してから2~4時間という短時間の間に、一過的に心拍数や血圧が上がり、その後に血管内皮機能がよく働いて血圧が正常に戻るという反応が現れます。

また動物実験によれば、ポリフェノール摂取後に血流量やエネルギー代謝量が上がり、また血中アドレナリン量も増えます。

つまりここから、ポリフェノールを摂取したことで交感神経が刺激され、アドレナリン等の神経伝達物質が放出されたことにより、血液循環やエネルギー代謝の亢進といった反応が現れたことが考えられます。


このように、ポリフェノールを摂取後に体内に起こる一連の反応は、「健康のために適度な運動が必要である」という話がよく出ますが、“運動”による効果と酷似している そうです。

運動、つまり筋肉や骨格を動かす行為をすると、そこにかかる物理的ストレスによる刺激が中枢神経に伝わり、中枢神経が交感神経を刺激して神経伝達物質を放出し、それを受けて全身に生理反応が引き起こされます。


特に血管系について言えば、心拍数が上がって血管が収縮し、血圧が上がります。

すると、このような変化を受けて、今度は血管内皮細胞がそれらを元に戻すため、一酸化炭素を生成して血管を弛緩させ、再び血圧を正常レベルまで低下させます。

そして、適度な運動を毎日の習慣としていると、この一連の反応が繰り返される中で、一酸化炭素生成の促進や内皮細胞の増殖など、良い意味での血管の再構築や新生が行われ、血管を若く保ち血圧の上昇を防ぐことができると言われています。







③ 香辛料と同じく、ポリフェノールは知覚神経に作用する?


もう一つ参考として、交感神経を刺激する食品といえば、香辛料の辛み成分、すなわちカプサイシンやアリルイソチオシアネート等があります。

これらは、消化管に存在する知覚神経を通して交感神経に作用することが知られているので、ポリフェノールによって同じことが起きるか、動物実験を行いました。

すなわち知覚神経を除いたラットにポリフェノールを投与して、正常のラット同様に血液循環やエネルギー代謝を亢進させる反応が出るかどうかを見てみました。

結果としては、知覚神経を除いたラットにおいてはこれらの反応は起こらなかったため、摂取されたポリフェノールは、少なくとも一部は消化管の知覚神経に認識され、そこから交感神経に作用する可能性が示唆されました。


3.ポリフェノールの作用メカニズムはいまだに謎。でもいろんな効果効能が期待できるのは事実。


このように、消化管からの体内吸収が極めて少ないと考えられるポリフェノールについては、他にもさまざまな体内への作用ルートの可能性を探って、現在でも世界であらゆる研究が行われています。

未だに謎の多いポリフェノールの体内動態ですが、少なくとも多くの介入試験や疫学調査により、その摂取による多様な生理機能、その結果としての炎症系の疾病-心血管疾患やアレルギー等の予防や改善の効果は明らかなものとされています。


そのメカニズムの解明については、科学的技術と知識の最先端にいる一流の研究者たちでさえ四苦八苦しているのですから、私たち一般人には到底、うかがい知ることもできない深遠な領域です。

しかし昔から言われるように、自然由来のあらゆる食品をバランス良く摂る、特に 穀類・野菜・豆・ナッツなど植物由来の食べ物を欠かさない…などシンプルな食生活の指針を守ることが、大切な健康や若々しさを維持する一番の近道であることは確かなようです。


参考資料:
ポリフェノールパラドックス 生体利用性と機能性の矛盾 ポリフェノール研究の新たな展開 ~腸内細菌叢への着目~



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